会長挨拶

この度、第10回日本血管不全学会学術集会・総会を2025年4月27日(日)に佐賀大学医学部キャンパスにおいて主催させていただくことになりました。テーマとして「次世代の血管不全研究を探る ~EXPLORE NEXT DECADE FOR VASCULAR FAILURE RESEARCH~」を掲げました。 

日本血管不全学会は2003 年に設立された血管不全研究会を母体とし、2016年に一般社団法人日本血管不全学会として改組されました。本学会は血管機能の生理学的・生化学的な評価とその制御機構に関する基礎的・臨床的研究に取り組んでおり、その成果を社会実装することで我が国の血管病治療に貢献することが目標です。今後、動脈硬化性疾患のみならず血管機能障害を基盤とする多様、多彩な疾患の診断と治療に貢献することを目指しています。 

医学・医療は臓器別の個々のミクロ分析から全体のネットワークとして捉える時代に変化しています。血管は全身の全ての臓器、細胞にいきわたり、酸素供給するだけではなく、ホルモンや液性因子を分泌し、全身の情報伝達系を調整する最大の臓器であるといえます。血管機能やその調節機構を解析することは、全身の臓器や細胞連関メカニズムを解明する鍵となります。

今回の記念すべき第10回日本血管不全学会学術集会・総会の開催を機に、新たな視点で血管不全学を見直し、解明すべき課題や学会として向かうべき方向を定めていくことができればと考えております。

この4月の佐賀は、桜をはじめとする彩とりどりの美しい花々で満ち溢れます。皆様には、古の刻に思いを巡らせながら、美味しい海の幸や山の幸に舌鼓を打っていただければ何よりです。

本学会では、皆様に多くの知見を共有していただき、人的交流がより豊かになることを願っております。積極的にご参加いただき、血管不全学における新たな出会いの機会にしていただけますようお願い申し上げます。

第10回日本血管不全学会学術集会会長
日本血管不全学会名誉理事長
佐賀大学医学部長
野出 孝一